◇イギリスのローザムステッド農事試験場で有機農法を学ぶ
埼玉県の三芳町で有機野菜を栽培する冨田さん。冨田さんの実家は代々農家で、本人も農業を学ぶため東京農業大学へ進学。大学時代には日本ではまだ知られていなかった有機栽培農法を学ぶためイギリスに渡りローザムステッド農事試験場で有機農法を学んだそうです。
大学卒業後は農業だけの収入では生活が厳しかった為、会社員として金型の設計を35年続けながら埼玉県滑川町に畑を購入し夫婦で有機農法での野菜栽培を開始。
その後、現在の三芳町の畑に移り16年間有機農法での野菜作りを続けています。
冨田夫妻と畑の様子
◇野菜を育てるうえで大切なのは地力
野菜を育てるうえで冨田さんが一番大切にしている事は、畑の地力を高めること。地力を高める事=病害虫に強い良い野菜ができます。その為に自宅裏山の落葉や、畑の雑草、近隣の米農家から譲ってもらった米のもみ殻で堆肥を作りそれを畑に漉き込んで土づくりを行っています。
化学肥料、農薬は一切使用せず有機堆肥を使用する事で畑の微生物が増えてくるが、微生物が多くなりすぎても地力は下がってしまう。そのため、丁度良い微生物のバランスが大切とのこと。
有機の堆肥を使用した畑では不思議と病害虫の発生は無く、天敵となる生物が害虫を食べてくれます。それも有機農法で化学肥料や農薬を使わないからだという。
それでもアブラムシ等の害虫が付着した場合には、牛乳または焼酎に漬け込んだ唐辛子液、木酢液に漬け込んだニンニク液を噴霧する事で除去しています。
堆肥に使われるもみ殻と雑草
落葉や雑草で出来た堆肥
◇是非一度食べて味を知って貰いたい
冨田さんが特に自信を持っておすすめしたい商品は里芋とかき菜。里芋は三芳町の火山灰の土地に最も適していて他の里芋と比べても食べた時の粘りが強いそうです。奥様(直美さん)は『是非一度うちの野菜を試して、添加物を使用した食品では無く、安心・安全な野菜を食べてもらいたい。若い人達(特に子供達)に食の大切を教えられたら…』と仰っていました。
・農業関連での主な受賞歴・活動履歴
・東久邇宮記念賞・東久邇宮文化褒賞受賞
・オーガニックライフスタイルEXPO3年連続出店
栽培方法:土耕栽培
肥料:有機肥料(自家製)
雑草対策:手狩り
病害虫対策:自然農薬(自家製)
種:種苗業者より購入(在来種)、自家採取